「尋問の時間だ、ミスタ・ジョーンズ」

 目の前のこの人物は自分にとって親であり、兄であり、仲間であり、言わば多くの関係を点々としてきた相手だが、今現在で言うなれば恋人である。
 その恋人がとても上機嫌で人の悪い笑みを浮かべているというのは、一体どういう事なのか。
全てを理解しているアメリカは、珍しく大人しく椅子の上で正座していた。これは日本に教えて貰った体勢だが、些か足が痛い。
本来イギリス手製のクッションが備え付けられている彼の家の椅子だが、そんなものとうに取り上げられてしまった。
 それでも崩す事無く耐え続ける。口を引き結んでいると、イギリスが再び口を開いた。





 耳元で囁いて、この位ならと舌を伸ばす。そのまま穴に突っ込むと一際高い声が上がった。イギリスの目が流れてアメリカに合わされる。
一間置いて、アメリカの手を取ったイギリスは先程同様後ろへと腕を回した。そしてアメリカの胸に身体を預け、少し尻を浮かせる。
「指、入れろ」
「好きに動かしていい?」
「…それはダメ」
 言って手首を掴まれたかと思うと強引に尻へと押し付けられる。仕方ないと一つ息を吐いて人差し指をそっと埋めた。
精液を塗りたくっていた為それ程抵抗は無いが、イギリスは途端にきゅっと後口を締めてくる。
「イギリス、そんな締めたら進めないし、君の中傷付けちゃうよ」
「ぅ、ん…も、少し進めて…」
 人の話を聞いていないのか、はたまた聞こえていないのか。言われた通り少し進めて第一関節を折り曲げる。
そこに何が存在するかは、もう言われなくてもわかっていた。指の腹で押えて抉るように撫で回せば、今までとは比べ物にならない位の反応が返ってくる。
「うあぁああっ…そこ、そこ…っ、ふ、ぅああ…」
「気持ちいい?」
「んっ、うん…気持ち、いい…っ」
「イギリス、ここばっか弄ってたらすぐ出ちゃうんじゃない?奥も好きでしょ?指、一杯奥まで入れてもいいかい?」
「んんっ、あ…やら、そこ、がい…ふぁっ」
 声を上げる度に赤い舌を覗かせて、大き過ぎるであろう快感に身を震わせる。そのイギリスの姿が凄く妖艶で、酷く性的欲求を掻き乱された。この日初めて、アメリカは命令に背く行動を取った。





 片足を掲げて身体を回す。再び向き合う体勢になってみれば、イギリスの顔は涙と唾液と精液で塗れてぐちゃぐちゃになっていた。
お世辞にも綺麗とは言い難いそんな顔も、不覚にも可愛いと思ってしまうあたり既に末期だ。
 イギリスの中はまだひくついている。その度に伸縮するそこに締めつけられて、意識して力を抜かないと早々に達してしまいそうだ。そうしたとしても、もう長くはもたないだろうけど。
「じゃあイギリス、動くよ」
「ん……って、おま、いっ…あぁっ!」
 膝の裏を押し上げて、手で足首を掴み大きく持ち上げイギリスの身体を折り畳ませる。顔と足首の位置を近づける程、結合した部分が高さを持った。
 イギリスの身体が固いのは承知の上だが、酷くして欲しいとのご要望だし構わないだろう。膝で立ったまま丁度いい位置にある尻を思い切り突き上げた。
「ぐ、ああっ!やだ、これっ、苦し…っ!」
「ふっ…でもこの体制…すっごい奥まで入る…っ」
 腰を大きくグライドンドさせてぎりぎりまで引き抜き、最奥まで突き挿してを繰り返す。先端が入り口付近を掠める度にイギリスの声は高く擦れ、中の締めつけがきつくなった。



09.12.17